Dogwoodの池上日記

地元大田区池上・蒲田と軽井沢・信濃追分を愛するDogwoodの日々徒然日記。

製造業で、顧客対応をしていたころの話(中国編)

Dogwoodが、製造業でお客様対応をしていたころの話です。

製造業、お客様と業者の立場の違い? - Dogwoodの池上日記

 の続編です。

 

中国福建省のアモイというところに、お客さんの主力工場があり、そこに、ことあるごとに呼び出されては、始発電車に乗って成田朝9時発の飛行機で出張していた時期がありました。年に5-6回は行ってたかと。

お客さんの品質担当部長で、Tという、業者イジメで有名な中国人がいると、退職する前任者から言われていました。

「アイツには気を付けてね。じゃ、後ヨロシク」と。何でも、性格はドSで、「飲む、打つ、買う」が大好き。基本的に日本(人)が大嫌い、、だそうな。何だよ、その申し送りは。貧乏くじ引いたなあ、、と、暗い気持ちもつかの間、そのTから呼び出しがかかるまで、そう長くはかかりませんでした。

数年前のこと。会社の製品が品質問題を起こしてしまい、ここぞとばかりに「説明と詫びを入れにこんかい!」というのが、Tとのつきあいの始まりでした。

もちろん、その要求はDogwoodに直接来るのではなく、「エスカレーション」といって、会社の社長や幹部に要求してくるのです。

なので、断るとか先延ばしといった選択肢は無く、トップダウンで出張命令が下りてきます。悪いことに、Tの会社は、当時は超がつくほどのお得意様、とても1人では荷が重い、、という当時の本部長の判断で、副社長(日本人)を連れて行くことになりました。(その本部長も、「後はヨロシク!」で同行せず)

副社長を連れて行ったのが功を奏したのか、Tに暴言を吐かれることもなく、会議は無事に終わりました。いやー、良かった良かった。Tって悪代官そのものって顔してたけど、意外といい奴じゃん。いやー、上手くいった、、と、工場を後にして、現地駐在の社員(中国人、H君)と一緒に、一足先に帰る副社長を空港まで見送った直後のことでした。

H君が深刻な顔で、携帯で何やらずっと話しこんでいる。どうしたの?と聞くと、「さっきのTが、夜の接待を場所指定で言ってきたアルよ!しかもTの仕事が終わるまで、工場の食堂で待つように言われたアルよ!」 (一応言っときますが、H君との会話は英語です)

何?そんなの断れよ~!と、H君に言ったのですが、らちが明かず、営業所長に電話すると、「アナタ接待費あるんでショ。後ヨロシクアルよ!」と言って、電話を切られてしまった。おーい、何なんだ〜、、

 

俺たち2人ハメられたアルか?

 

でも仕方ない、接待も大事な仕事だ。それからH君と2人で、客の工場へ戻り、誰もいない食堂の長椅子に座って約5時間、Tを待ちました。

H君は、当時30代前半で細身の独身エンジニア。中国人らしからぬ、物静かな男ですが、ちょっと頼りないところもありました。

でも、Dogwoodは中国語はカタコトの挨拶くらいしか出来ないし、現地の仕切りは、全てH君に頼るしかない。

 

そして待つこと5時間!、Tが指定したのは、市内のホテルの中華料理屋の個室。目玉が飛び出るほど高級店では無いのが救い。これなら大丈夫だろう、、、

と思っていたら「いやー、お待たせ!T君、しばらくアルよ」、と、見知らぬ男がにこやかに入ってきた。Tが会社の同僚を呼んだのかな、、まあ、1人くらいならいいだろうと、まずは名刺交換を。

 

すると、、、名刺を見て、、、あれ?

 

えっ?お前誰なん?

全然違う会社じゃん!しかも業種も全く違うぞ。

 

聞くと、Tは悪びれもせず、「俺の大学の同級生なんだよ」だって。おいおい、ここで同窓会かよ。戸惑うDogwoodに、H君が耳元で、すかさずこう言いました。

 

「これはアナタが、Tに認められた証しアルよ。だから文句言わずに、一緒に会食するアルよ!」

 

そうなのか、そこまで言うなら仕方ない、、飯食って金払って、とっとと帰ろう、、、

 

しかし、そうは問屋が卸さないのが、中国の宴会スタイル。Tが、しこたまビールを飲んだ後に、「バイジュ―、マオタイ、、」と店員に告げると、箱に入ったボトルが出てきました。そう、赤と白のこんなやつ。

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H君の表情がこわばってきました。すっかりデキあがって、目がすわったTが、自慢げに、「これは白酒(バイジュ―)の最高級の芽台酒(マオタイ)というアルコール度数50度の酒だ!日本人、飲んだこと無いだろう!さあ、飲むぞ~!」と気勢を上げてるではないですか、、、。マジか。

 

中国語で乾杯(カンペー)、その名の通り、「盃を空にする」こと、英語ではBottoms Up。万国共通だ。いや、そんなのどうでもいい。

 

違うのは、自分の杯でグイッと一気に飲んで、空になった杯を今度はこちらの目の前に置く。それは「お前も同じように飲め!」の合図なんだと。ふざけんなよ〜

あ〜あ、先に胃薬飲んでおけばよかったな、、、

 

気が付くと、部屋の隅でボロ雑巾のように床に横たわってるH君がいました。大丈夫か?薄れゆく記憶の中で、Dogwoodは気丈にも何杯もマオタイを空けましたよ。

そして、ちゃんとカードでお会計して、領収書も「チンゲイヲー、パーピャオ!(領収書頂戴!)」 が言えたようだ、、あー、日常中国語会話を勉強しておいて良かった。

 

Tの接待話の続きは、その後も続きました。また今度書ける範囲で書きます。

 

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